遺伝子診断技術等を活用した病害虫の診断と防除への応用
担当部署
農業・園芸総合研究所 園芸環境部 遺伝子工学チーム(電話:022-383-8126)
虫害チーム (電話:022-383-8246)
病害チーム (電話:022-383-8125)
野菜部 露地野菜チーム (電話:022-383-8124)
研究期間
2023年度(令和5年度)~2027年度(令和9年度)
研究目的
産地の育成,安定化のためには,病害虫による被害を抑制し,一定レベルの被害水準に抑えて安定的に農産物を生産する必要があります。
病害虫防除では,目的や対応する病害虫により様々な防除手段が用いられていますが,そのためには,病害虫の種類を適切に診断することが重要になります。
また,温暖化等の気候変動を背景として,病害虫の分布・発生地域の拡大等が報告されており,これまでに宮城県において発生が見られなかった病害虫の侵入も懸念されていることから,これらの病害虫を早期に検出し,対策を講じることができる体制を構築することは喫緊の課題となっています。
これらに加え,産地化が進んだ地域では連作や病害虫の薬剤抵抗性の発達,気候変動等によりこれまであまり問題にならなかった病害虫の被害が甚大化していることや,ウイルス病や土壌病害等の難防除病害虫の発生により作付け自体が難しくなっている事例も全国的にみられていることから,今後産地を育成,維持させるためにはこれらを念頭にした対策を講じる必要があります。
しかしながら,これら新規発生病害虫や難防除病害虫等につては的確な診断方法や発生実態,生態があまり知られていないものも多く,防除手段の検討に必要な情報が乏しいことから,効果的な防除方法の検討をする上ではこれらを明らかにしていくことが重要です。
そこで,これらに対応するため,これまで構築してきた遺伝子診断技術を活用して普及センター等からの診断依頼へ対応し,その対策を指導するとともに,今後発生する可能性があるウイルス病等についての診断技術を確立すること,現場で問題となっているものの,発生源や対策に関する情報があまりないものについて,遺伝子診断技術等を用いて病害虫の発生状況の把握や動向を明らかにすることにより,効果的な防除方法の構築に応用します。
また,新規発生病害虫や難防除病害虫等について,発生状況の把握や動向を明らかにし,効果的な防除方法を検討します。
研究内容
中課題 |
小課題 |
研究内容 |
普及センター等からの依頼診断対応と新たな診断技術の開発 |
遺伝子診断対応 |
農業改良普及センターや病害虫防除所等から診断依頼のあった検体から宮城県内のウイルス病等の発生実態を把握します。 |
野菜類軟腐病 |
県内で野菜類に発生する軟腐病の病原細菌について、細菌種や発生件数を調査します。 |
遺伝子診断技術を活用した発生生態の解明と防除への応用 |
カボチャモザイク病 |
カボチャモザイク病について、発病時期や感染位置が果実奇形に及ぼす影響について明らかにするとともに、雌花開花前のアブラムシ防除が奇形果発生の抑制に効果的か明らかにします。 |
関連情報
関連「普及に移す技術」、PR資料、研修会資料、会議資料等 |
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