【みやぎ環境税活用事業】
果樹の凍霜害軽減技術の開発
担当部署
農業・園芸総合研究所 花き・果樹部 果樹チーム(電話:022-383-8134)
研究期間
2022年度(令和4年度)~2024年度(令和6年度)
研究目的
近年の温暖化により果樹の生育は前進傾向にあります。果樹の作況調査では,この10年間の平均とそれ以前の平均を比較するとリンゴでは発芽期や開花始が4日,ナシでは発芽期が6日,開花始が4日早まっています。
落葉果樹では発芽期から開花後まで低温に弱い時期であり,開花前進により凍霜害に遭遇する危険性が増大し,本県でも平成28年,平成30年,令和3年と被害が頻発するようになっています。
凍霜害対策としては燃焼法,散水法,防霜ファンの設置等が知られていますが,生産者の高齢化や栽培環境等の変化により効果的な対策が行われていません。
そこで,従来の凍霜害対策の中でも生産者が取組みやすい防霜資材の効果を確認し,併せて,多目的防災網の被害軽減効果について検証します。

健全な果実

凍霜害により被害を受けた果実
研究内容
- 1)現地実証試験(防霜資材の効果検証)
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- 現地実証ほを設置し,防霜資材(霜ガード,フロストバスター)の散布効果について調査を行います。
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防霜資材(霜ガード)

防霜資材(フロストバスター)
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- 2)ポット苗における防霜資材の効果検証
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- 果樹栽培用25リットルポットで育成した「幸水」を用い,開花時期に防霜資材を散布した後,冷蔵庫に搬入して低温処理(-2℃程度)を行い,防霜資材の凍霜害抑制効果を確認します。
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- 3)多目的防災網の被害軽減効果の検証
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- 果樹栽培用25リットルポットで育成した「幸水」をハウス等で開花促進させ,2月中旬頃ほ場へ移動し低温に遭遇させ,多目的防災網被覆の有無による被害程度を調査します。
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多目的防災網の設置イメージ
※写真は「品目ごとの気象被害防止に向けた技術対策」(農水省HPより抜粋)
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