試験研究の成果

【食料生産地域再生のための先端技術展開事業】
イチゴのクラウン温度制御を用いた作期拡大と増収技術

分  野
野菜
品  目
イチゴ
技術概要
 これまで宮城県においてクラウン温度制御技術を利用することで,生育が促進され収量が増加することが明らかとなっていますが,さらに安定した収量の確保と作期拡大を目的として,品種毎の定植時期,クラウン加温時間及び翌春冷却の検討を行い,体系化しました。

クラウン温度制御
 クラウン(株元)に沿わせたチューブに冷水や温水を流し,冷却または加温を行うことで,クラウン部を20℃前後に維持する技術です。
宮城県におけるクラウン温度制御を組合せた作型
 宮城県内でのクラウン温度制御を組み合わせた作型は図1のようになります。
 夜冷短日処理を行った苗を「もういっこ」では8月下旬に定植し,「とちおとめ」では8月中旬に定植します。

図1 宮城県におけるクラウン温度制御を組み合わせた作型
クラウン温度制御・冷却期(定植日~10月上旬)
 定植日から20℃程度の冷水でクラウン部を冷却すると第1次腋花房の分化が早まり,花房間葉数が減少します。
 頂花房の果実の痩果数及び1果重が増加し,果実肥大が促進され,年内収量が増加します。
クラウン温度制御・加温期(11月上旬~翌年2月下旬)
 第1次腋花房の分化確認後,クラウン部を20℃程度の温水で加温すると厳冬期の展葉が早まります。
 また,ハウス内最低温度を5℃程度に下げた場合でも,クラウン部の加温により草高が維持され収量の一時的な低下が軽減されます。
 クラウン部の加温時間は24時間で効果が得られますが,加温時間を16時間(4時30分~20時30分)に短縮しても草高と収量は24時間加温と同等になります。
クラウン温度制御・翌春冷却期(3月上旬~収穫終了時)
 3月中旬頃ハウス内温度が高まる時期に20℃程度の冷水でクラウン部を冷却すると,春先の果実の1果重および果数が増加し,3月~6月の収量が増加します。
関連情報
担当部署
農業・園芸総合研究所 野菜部(電話:022-383-8131)

 宮城県農業・園芸総合研究所
  (企画調整部 企画調整チーム)
  〒981-1243 宮城県名取市高舘川上字東金剛寺1
  TEL:022-383-8118
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