気候変動情報
 気候変動に関する情報や宮城県や国における温暖化対策等を紹介します。
掲載されている情報は以下のように区分しています。

1 気候変動情報
 気象庁によれば、日本の年平均気温は、統計を開始した1898年以降、上昇率は100年当たり1.24℃上昇しています。
 また、仙台管区気象台によれば、宮城県では、年平均気温が100年で約4.6℃上昇し、仙台の平均気温は、今後100年で現在の福岡と同程度になると予想されています。
令和5年夏の記録的高温に係る影響と効果のあった温暖化適応策等の状況レポート
 農林水産省は、「令和5年夏の記録的高温に係る影響と適応策」について各都道府県から聞き取りを行い、昨年夏の記録的高温をうけて最も効果があったと思われる適応策の取組をまとめたレポートを令和6年4月26日に公表しました。
農林水産省 農産局 農業環境対策課
「気候変動に関する世論調査」について
 内閣府が、令和5年7月27日~9月3日に全国18歳以上の3,000人を対象に「気候変動に関する世論調査」を実施し、その結果がとりまとめられ、まずは令和5年11月10日に報告書概略版が公表され、報告書については令和5年12月7日に公表されました。
農林水産省 農産局 農業環境対策課
令和5年地球温暖化影響調査レポート
 農林水産省は、都道府県の協力を得て、地球温暖化の影響と考えられる農業生産現場における高温障害等の影響、その適応策等について報告のあった内容を取りまとめた「令和5年地球温暖化影響調査レポート」を令和6年9月30日に公表しました。
(調査対象期間は、令和5年1月~12月です。)
農林水産省 農産局 農業環境対策課
気候変動影響評価報告書
 気候変動が日本にどのような影響を与えうるのかについて、科学的知見に基づき、全7分野71項目を対象として、「影響の程度、可能性等(重大性)」、「影響の発現時期や適応の着手・重要な意思決定が必要な時期(緊急性)」、「情報の確からしさ(確信度)」の3つの観点から評価を行ったものです。(令和2年12月17日)
環境省 地球環境局 総務課 気候変動適応室
日本の気候変動2020-大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書-
 文部科学省と気象庁は、日本における気候変動対策の効果的な推進に資することを目的として、日本の気候変動について、これまでに観測された事実や、今後の世界平均気温が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)及び4℃上昇シナリオ(RCP8.5)で推移した場合の将来予測をとりまとめ、2020年12月4日に「日本の気候変動2020 -大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書-」として公表しました。
国土交通省 気象庁
農業に役立つ気象情報の利用の手引き
 気象庁が、農業気象災害の防止・軽減や農業の生産性の向上に気象情報を役立てていただくためのポイントをまとめた手引きを作成して令和5年3月23日に公表しています。
 プレゼン用のパワーポイント・ファイルと印刷用のPDFファイルがあり、都道府県の農政担当部局の方や農業普及指導員の方をはじめ、農業団体や農業従事者の方など、だれでも利用できるそうです。
国土交通省 気象庁
東北地方の気候の変化
 東北地方を対象とした気候変動に関する情報が「日本の気候変動2020」(文部科学省、気象庁)等の最新の知見に基づいて更新され、仙台管区気象台のホームページで令和4年2月9日に公開されました。
仙台管区気象台 気象防災部 地球環境・海洋課
2023年夏季の農業気象(高温に関する指標)
 農研機構農業環境研究部門が、令和6年4月10日に、水稲の生育に影響を与える2023年夏季の農業気象の概況を整理してホームページに掲載しています。
 猛暑日と熱帯夜、ならびに水稲の登熟期間の平均気温の地域的な特徴を示し、気象データに基づく穂温の推定結果についても紹介しています。
(国研)農業・食品産業総合研究機構 農業環境研究部門
国民参加による気候変動情報収集・分析事業
 環境省では、地域の気候変動影響の把握や、地域住民の気候変動適応への理解促進を目的として、令和元年度より「国民参加による気候変動情報収集・分析委託事業」を行っています。
 (国研)国立環境研究所 気候変動適応センターでは、この「国民参加による気候変動情報収集・分析委託事業」について、事業内容、受託地方公共団体、取組・成果一覧等を整理して紹介しています。
気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)
「令和5年度 気候変動適応に係る国民の理解度」調査結果
 国立環境研究所気候変動適応センターは、気候変動影響・適応に関する情報の収集・整理・分析や研究を推進し、その成果を広く提供することで、政府、地方公共団体による気候変動適応に関する計画の策定や適応策の実施をはじめ、事業者や個人を含む各主体による気候変動適応に関する取り組みを推進しています。
 その一環として、「令和5年度 気候変動適応に係る国民の理解度」に関する調査が2024年3月25日~4月3日に実施され、その調査結果の概要が2024年8月9日から紹介されています。
気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)
これまでの気温・降水量の変化(気象庁提供グラフ画像)
 「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」の「これまでの気温・降水量の変化(気象庁提供グラフ画像)」が、令和6年6月12日に、2023年までの観測データ(最新のデータ)に更新されました。
 気象庁が観測している気象官署の気象データのうち、平均気温・降水量・真夏日・猛暑日の過去から現在までの長期変化(グラフ画像)を全国および都道府県ごとに見ることができます。
気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)
2023高温条件下での農業生産(胆振管内2023年の記録・対策事例)
 北海道胆振農業改良普及センターが、「2023高温条件下での農業生産(胆振管内2023年の記録・対策事例)」を作成、令和6年2月29日に、ホームページに掲載しました。
 令和5年は過去に経験のない猛暑の夏となり、秋の気温も高く推移し、農畜産物の生産管理と収穫量に大きな影響を与ました。このような気象下における作物の生育状況や収穫量を記録し、対策事例の内容等が記載されています。
北海道胆振総合振興局 産業振興部 胆振農業改良普及センター

2 気候変動(地球温暖化)対応策情報
宮城県の気候変動(地球温暖化)対応策
 宮城県では、宮城の豊かな環境を適切に保全し、次の世代へ引き継いでいくために、喫緊の環境問題に対応する施策に充当する財源として、平成23年4月から「みやぎ環境税」を導入し、地球温暖化防止対策などの事業を実施しています。
気候変動による影響への緩和と適応(YouTube、1分54秒)
 宮城県が作成した動画です。かわいいイラストと分かりやすい解説で学べます。
 気候変動による影響・被害を少なくするため、その原因となる温室効果ガスの排出を抑制しようとする「緩和策」、気候変動の影響に対処し、なるべく被害を少なくしようとする「適応策」について、一人一人が理解を深め、取り組んでいきましょう!
宮城県
みやぎゼロカーボンチャレンジ2050戦略
 宮城県では、地球温暖化対策の推進に関する法律(以下、「地球温暖化対策推進法」という。)に基づき、平成30年10月に「宮城県地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」を策定し、県内の温室効果ガスの排出削減対策や吸収源対策に関する取組を進めてきました。
 こうした中、地球温暖化対策推進法の改正や国の新たな「地球温暖化対策推進計画」及び「エネルギー基本計画」策定への対応に加え、宮城県環境基本計画(第4期)において、「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ」の目標を掲げたことを踏まえ、「宮城県地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」、「宮城県環境保全率先実行計画(事務事業編)」、「再生可能エネルギー・省エネルギー計画」、「地域気候変動適応計画」の4つの現行計画を整理・統合し、新たな計画を令和5年3月に策定しました。
宮城県 環境生活部 環境政策課 温暖化対策班
新みやぎグリーン戦略プラン
 「みやぎ環境税」を活用した取組や事業内容については、令和3年2月に令和3年度~令和7年度までの5年間の取組内容を定めた「新みやぎグリーン戦略プラン」を令和3年4月に策定しております。
 このプランに基づき、令和6年度は全59事業(市町村交付金事業を含む)に取り組む計画です。
宮城県 環境生活部 環境政策課 温暖化対策班
国の気候変動(地球温暖化)対応策
 我が国では、気候変動の影響に対処するため、政府全体として整合のとれた取組を計画的かつ総合的に推進するため、平成27年11月、政府として初の「気候変動の影響への適応計画」が閣議決定されました。
 適応計画では、目指すべき社会の姿等の基本的な方針、基本的な進め方、分野別施策の基本的方向、基盤的・国際的施策等が示され、これに基づき、現在、各種の具体的な取組が進められています。
みどりの食料システム法について
 令和4年4月22日に環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律(みどりの食料システム法)が成立し、5月2日に公布され、7月1日に施行されました。
 この法律は、環境と調和のとれた食料システムの確立に関する基本理念等を定めるとともに、農林漁業に由来する環境への負荷の低減を図るために行う事業活動等に関する計画の認定制度を設けることにより、農林漁業及び食品産業の持続的な発展、環境への負荷の少ない健全な経済の発展等を図るものです。
 農林水産省では、「みどりの食料システム法」について、9月15日から税制特例等の支援措置を受けるために必要となる計画の認定申請の受付など本格的に運用を開始しています。
農林水産省 大臣官房 みどりの食料システム戦略グループ
みどりの食料システム戦略
 農林水産省では、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」を令和3年5月12日に策定しています。
 生産現場に役立つ技術を広く情報発信するために、令和4年1月に「みどりの食料システム戦略」技術カタログも作成され、令和6年6月にはVer.4.0が公開されています。栽培暦の見直し等、生産現場でより持続性の高い農法への転換に向けた検討の際にも、活用できます。
 さらに、令和5年9月には「みどり戦略施策活用ガイドブック」が公開され、現在、「令和6年10月版」に更新されています。
農林水産省 大臣官房 環境バイオマス政策課 地球環境対策室
みどりの食料システム戦略に係る「栽培技術に関する相談フォーム」
 東北農政局は、みどりの食料システム戦略を推進するために、東北農政局ホームページの「みどりの食料システム戦略」のページに、農作物等の栽培技術に関する様々な相談に対応する相談窓口のページを令和4年6月29日に開設しました。
農林水産省 東北農政局
農林水産省気候変動適応計画
 「気候変動適応法」が熱中症対策を強化するため令和5(2023)年4月に改正され、同年5月に「熱中症対策実行計画」の策定及び「気候変動適応計画」の一部変更が閣議決定されたことに伴い、令和5年8月に「農林水産省気候変動適応計画」も必要な改定が行われました。
農林水産省 大臣官房 環境バイオマス政策課 地球環境対策室
農業分野の地球温暖化緩和策に関する意識・意向調査結果(826KB)
 農林水産省は、農業者4,000人、流通加工業者8,000事業所、消費者1,000人及び市区町村1,741市区町村を対象として、令和4年1月上旬から2月上旬にかけて実施した、農業分野の地球温暖化緩和策に関する意識・意向に関する調査の結果を令和4年4月20日に公表しました。
農林水産省 大臣官房 統計部
農業分野における気候変動・地球温暖化対策について
 農林水産省で令和3年12月に農業分野における地球温暖化対策の概要、緩和策、適応策に関する情報をまとめた資料が令和6年1月作成版に更新されています。
農林水産省 農産局 農業環境対策課
農業生産における気候変動適応ガイド
 産地自らが気候変動に対するリスクマネジメントや適応策を実行する際の指導の手引きとして、水稲りんごうんしゅうみかん及びぶどうについて「農業生産における気候変動適応ガイド」が作成されています。
 高温に係る影響、適応策の検討から適応策実行計画の策定までの流れとその見直しについて記載されています。
農林水産省 農産局 農業環境対策課
気候変動適応法及び独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律
 気候変動の影響により、国内の熱中症死亡者数は増加傾向が続いており、近年では年間千人を超える年が頻発するなど、自然災害による死亡者数をはるかに上回っています。また、今後、地球温暖化が進行すれば、極端な高温の発生リスクも増加すると見込まれ、我が国において熱中症による被害が更に拡大するおそれがあります。
 こうした状況を踏まえ、今後起こり得る極端な高温も見据え、熱中症の発生の予防を強化するための仕組みを創設する等の措置を講じることで、熱中症対策を一層推進するため、「気候変動適応法及び独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律案」が令和5年2月28日に閣議決定され、第211国会で可決され、令和5年5月12日に公布されました。
環境省 大臣官房 環境保健部 環境安全課
気候変動適応法施行規則
 熱中症対策の強化のため、令和5年第211回国会において、気候変動適応法及び独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律(令和5年法律第23号)が可決・成立し、同年5月12日に公布されました。
 改正法では、熱中症対策実行計画の法定計画への格上げ、熱中症警戒情報の法定化及び熱中症特別警戒情報の創設、市町村長による指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)及び熱中症対策普及団体(以下「普及団体」という。)の指定等の制度が措置され、令和6年4月1日に施行されました。
 今回の気候変動適応法施行規則の制定は、熱中症警戒情報等及び指定暑熱避難施設、普及団体等に関する事項について、改正法の施行に向けて所要の規定を定めるものです。
環境省 大臣官房 環境保健部 環境安全課
気候変動と適応
 国立研究有開発法人 国立環境研究所の「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」では、「気候変動と適応」として、これまで 「1 気候変動とは」を掲載していましたが、新たに 「2 気候変動影響と対策」 「3 各分野の気候変動影響と適応」 「4 日本の適応」 「5 世界の適応」 「6 私たちにできる適応」が追加されました。
 気候変動と適応に関する幅広い情報を、具体的な取組事例も含めて、6つの章に凝縮して紹介されています。初めて適応に触れる方はもちろん、適応に慣れてきた方も、学習コンテンツとして活用できます。
気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)
地域気候変動適応計画策定マニュアル
 平成30年12月1日施行の気候変動適応法に基づき、地方公共団体が地域気候変動適応計画を策定・変更する際に参考となるよう同年11月に「地域気候変動適応計画策定マニュアル」が環境省から作成・公表されました。
 今般、都道府県及び市町村の状況に合わせて、より詳細な気候変動影響評価や適切な適応策の検討・実施につながる手法や考え方、参考情報等の充実を図ることに加えて、主に市町村の地域適応計画の策定に役立てていただくことを目的に、令和5年3月にマニュアルの改訂が行われました。
気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)
地域気候変動適応計画一覧
 「地域気候変動適応計画」とは、平成30年12月1日施行の「気候変動適応法」に基づき、都道府県や市町村等が主体となって、その区域における自然的、経済的、社会的状況に応じた気候変動適応に関する施策を推進するための計画を指します。
 国立研究有開発法人 国立環境研究所で、この「地域気候変動適応計画」の策定状況を取りまとめて、情報公開しています。
 2024年12月現在、47都道府県、20政令市、304市区町村が「地域気候変動適応計画」を策定しています。
気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)

3 気候変動に適応した農業技術情報
 国の試験研究機関等による気候変動に適応した農業技術情報のプレスリリース等を紹介します。
気候変動関連動画New!
 「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」の「気候変動関連動画」には、国立環境研究所・気候変動適応センターや各自治体が作成した普及啓発用動画が多数掲載されています。その中から、農業技術関係の動画を紹介します。
●国立環境研究所・気候変動適応センター・オリジナル動画
【適応策】りんごの凍霜害
【適応策】マメ科作物
【適応策】ナシへの影響
【適応策】気候変動に強いお米
【適応策】ワイン用ブドウ品種の変化
●国立環境研究所・気候変動適応センター・インタビュー動画
【Interview】岩手県 果樹栽培と気候変動 凍霜害・夏季の高温、病害虫への適応策
【Interview】鳥取大学 ナシ栽培の適応策
【Interview】龍谷大学 マメ科作物の適応策
【Interview】富山県 水稲の高温耐性品種「富富富」
【Interview】北海道 ワイン用ブドウ栽培
●国立環境研究所・気候変動適応センター・気候変動適応研修動画
講義3:農業分野の気候変動影響と適応策の評価【令和2年度 気候変動適応研修(中級コース)】
●自治体が作成した普及啓発用動画
【おおさか気候変動適応センターが行く!】#12 高温耐性のお米の普及に向けて
【おおさか気候変動適応センターが行く!】#11 気候変動に対応したぶどう栽培
【環農水研 おおさか気候変動適応センター】大阪府の気候変動適応の取組(農業分野)
気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)
各分野の気候変動影響と適応:農業・林業・水産業
 「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」の「気候変動と適応」の「各分野の気候変動影響と適応」には、農業・林業・水産業における気候変動への適応策が多数掲載されています。
 その中から、農業分野における影響の種類ごとに、代表的な適応策の特徴とその進め方を、イラスト付きでわかりやすく紹介している「インフォグラフィック」を紹介します。
 これらの「インフォグラフィック」の他にも、国や自治体、その他の公共機関等による適応の取組事例、事業者による適応の取組事例の情報等が多数紹介されています。
気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)
高い温室効果ガス削減能力を有する根粒菌の謎を解明
 農研機構は、東北大学と共同で、温室効果ガスである一酸化二窒素(NO)の発生を抑制する能力が高い根粒菌Bradyrhizobium ottawaenseは、NOをNに変換する遺伝子の発現が高いことを明らかにしました。
 その根粒菌を植物生育促進微生物(ヘルパー微生物)であるPseudomonas属菌と一緒にダイズに接種すると、根粒菌の窒素固定能および、ダイズの生育量の向上が見られました。
 これらの成果をもとに、高いNO削減能力をもつ根粒菌とヘルパー微生物を併用することにより、農地におけるNOの排出削減能力とダイズ生産能力の双方を高める技術開発が進むことが期待されます。
2024年7月10日 (国研)農業・食品産業総合研究機構 生物機能利用研究部門
高機能型人工気象室を用いて未来環境が水稲に与える影響の一端を明らかに
 農研機構では、作物生育における季節環境を精密に構築する人工気象室「栽培環境エミュレータ」を様々な研究に活用しています。
 今回、この「栽培環境エミュレータ」を用いて、温暖化が進むと想定される将来(21世紀末、2100年)の生育環境(温度、湿度、二酸化炭素(CO)濃度等)を人工的に構築し、温暖化が水稲生育に与える影響について調査しました。
 その結果、現時点を超える気候変動の緩和策をとらない場合、高温と高CO濃度が生育を早め、収量と品質の低下を引き起こす可能性があることを明らかにしました。
 本成果は、将来の気候変動への対策として、温暖化に対する頑健な品種の育成、生育を管理するための栽培技術の開発などに役に立つことが期待されます。
2024年6月25日 (国研)農業・食品産業総合研究機構 農業情報研究センター

 宮城県農業・園芸総合研究所
  (企画調整部 企画調整チーム)
  〒981-1243 宮城県名取市高舘川上字東金剛寺1
  TEL:022-383-8118
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