実施中の試験研究

【産業廃棄物税基金充当事業】
みやぎ由来の肥料増産加速化事業

担当部署
古川農業試験場    作物環境部 土壌肥料チーム(電話:0229-26-5107)
研究期間
2025年度(令和7年度)~2026年度(令和8年度)
研究目的
 宮城県流域下水道事業において発生する下水汚泥(R5実績6.4万t)のうち、約5万tはセメント材や石炭代替燃料として再利用され、残り1.4万tが産廃処理されています。しかし、食料安全保障の観点から地域未利用資源を活用する取組が期待され、新たに菌体リン酸肥料の公定規格が設定されるなど下水汚泥の有効活用が求められている情勢を受け、事業を管轄する企業局において肥料化が検討されています。肥料化手法として、処理の迅速化と臭気対策を兼ねて密閉型堆肥化装置の導入が検討され、令和7年から肥料の試作が行われています。
 一方、農地施用の観点からは、窒素やリン酸など主要成分の肥効に加え、有害金属や亜鉛など重金属の含有量に注意する必要があります。さらに、導入が検討されている装置は堆肥化処理期間が20日間程度と短いことから、堆肥としての腐熟度も懸念されます。
 そこで、試作肥料中の肥料成分、重金属量や主要肥料成分の存在形態、腐熟度等の基本的な品質について調べるとともに、水稲のポット試験等により生育に対する影響や肥料効果を明らかにします。なお、試作肥料の活用方法の参考とするため、県内産汚泥が配合され令和7年から新たに販売される指定混合肥料を供試し、その肥効をほ場試験で併せて検討します。
研究内容
小課題 研究内容
下水汚泥由来試作肥料の品質と肥料効果の検討  試作肥料中の肥料成分、重金属の含有量や主要肥料成分の存在形態、堆肥としての腐熟度等の基本的な品質について調べるとともに、水稲のポット試験により生育に対する影響や肥料効果を明らかにします。
特殊肥料等入り指定混合肥料の水稲栽培における効果検証  国は下水汚泥資源など国内資源の利用拡大を図るため、一定の要件を満たす汚泥資源を「菌体りん酸肥料」とする公定規格を新たに創設しました。この「菌体りん酸肥料」の利用促進、普及拡大を図るため、当該肥料を配合した「特殊肥料等入り指定混合肥料」の水稲栽培における肥料効果を検証します。

 宮城県農業・園芸総合研究所
  (企画調整部 企画調整チーム)
  〒981-1243 宮城県名取市高舘川上字東金剛寺1
  TEL:022-383-8118
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