【産業廃棄物税基金充当事業】
きのこ廃菌床を利用した野菜栽培資材の開発
担当部署
農業・園芸総合研究所 野菜部 イチゴチーム(電話:022-383-8135)
施設野菜チーム(電話:022-383-8122)
研究期間
2020年度(令和2年度)~2025年度(令和7年度)
研究目的
宮城県は、ぶなしめじ生産量3,152t(全国6位)、えのきたけ生産量1,604t(全国6位)、なめこ生産量949t(全国6位)と産出量全国上位の林産物が多いですが、きのこ類生産に伴い大量に発生する産業廃棄物「廃菌床」の処理が現場では問題となっています。
「廃菌床」の発生量は主要なきのこ5品目だけでも約11万tと推定されます(平成30年度きのこ類生産量からの推定値)。

堆肥化処理後の廃菌床

堆肥化処理前の廃菌床
そのため、堆肥化処理後の廃菌床を利用して野菜の養液栽培で大量に必要とされる有機質培地としてリサイクル可能か検討します。
現在、イチゴやトマト等の果菜類の養液栽培では、ココナツヤシの殻を原料とした「ヤシガラ培地」を使用するのが一般的ですが、通常ヤシガラ培地は5年以上連用するため、廃菌床堆肥が培地として連用可能か栽培試験を実施しており、これまでの栽培試験で5年の連用で問題ないことを確認しています。
研究内容
中課題 |
小課題 |
研究内容 |
廃菌床の有機質培地としての利用 |
イチゴ |
イチゴについては,ヤシガラ培地に廃菌床50%混和または廃菌床100%として6年連用した場合、慣行的に利用されるヤシガラ培地と比較して、商品果率、総収量、総果数に差があるか調査します。 |
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果菜類(ナス) |
ナス栽培においては、昨年度栽培終了後に切り戻し手越冬させた2年株を用いたナスのバックカルチャー(袋状の容器に培土を入れて栽培すること)の実証試験を行います。 |
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果菜類(キュウリ) |
キュウリ栽培においては、昨年に続いて廃菌床がキュウリの収量や生育へ及ぼす影響について検討します。 |
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