実施中の試験研究

気候変動に対応した「高品質宮城米」安定生産を図るための栽培方法の確立

担当部署
古川農業試験場 作物栽培部 水稲チーム(電話:0229-26-5108)
研究期間
2022年度(令和4年度)~2026年度(令和8年度)
研究目的
 宮城県水稲優良品種の主力品種である「ひとめぼれ」,「ササニシキ」の品質は東北6県において過去10年間平均で最下位となっています。
 その原因として,温暖化による生育ステージの前進化や食味重視の栽培管理等から,優良品種選定時の栽培ごよみ作成時よりもイネの生育相(茎数,最終葉数等)が変化していること等が考えられます。
 これまで品質を維持・向上させるための生育目標設定や水管理等の技術更新を行い,普及に移す技術や栽培指導指針等で普及,定着を図っていますが,毎年気候変動幅が大きく,安定した栽培管理,高品質生産が持続的に維持しにくいため,これまでの品質低下等の要因を再解析し,気候変動等の様々な状況下でも高品質安定生産可能な栽培方法と栽培支援の方法を検討し栽培技術を確立します。
研究内容
中課題 小課題 研究内容
解析  「ひとめぼれ」と「ササニシキ」の品質低下等の要因を,古川農試作況試験,古川アメダスデータを用いて,高収量高品質生産年次および高温年次における検討を行います。
栽培試験 作期移動試験  移植栽培の「ひとめぼれ(年次反復)」と「ササニシキ(初年度)」における晩期栽培に適した移植時期および移植時期の晩限および6月移植以降の育苗方法を検討します。
水管理試験  出穂前後の走水によりほ場を乾燥させずに収量・品質を維持できる少量の水管理で行える方法について,水量や作業性等について検討します。
栽植密度試験  「ひとめぼれ」の栽植密度は,平成3年の育成当時は 24.2株/平方メートル(80株/坪)でしたが,平成20年からは18.2株/平方メートル(60株/坪)を基準としています。
 近年,現地ほ場では15.2株/平方メートル(50株/坪)以下での栽培方法が普及しており,栽植密度の変化による収量や品質低下も懸念されているため,栽植密度について再検討します。
栽培支援  「水稲品種の適地・適作期判定支援ツール(農研機構,アメダス新平年値<平成3年~令和2年>を基本設計)」に令和4年産の古川農試作況試験ほでの栽培実測値,古川アメダスデータ等を追加し,作況試験ほおよび生育調査ほ等で予測値と実測値を検証します。

 宮城県農業・園芸総合研究所
  (企画調整部 企画調整チーム)
  〒981-1243 宮城県名取市高舘川上字東金剛寺1
  TEL:022-383-8118
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